立体壁面「8bit」の制作においては、やはりまず緻密な設計作業からスタートしなければならない。U棒一本あたりが締める面積をある程度緻密に計算し制作された設計図は、私達世代の子供心をくすぐるある「ドット感」に溢れていた。そして、ある程度正確に、壁(クロス張り仕上げ)にラインを引いたのだ。その作業はまるで、図画工作の世界。
色を正確に表現するためには、縦長な素材であるU棒をそのまま使用するわけにはいかなかった。そう、1ドットのピクセル縦横比率が縦長になってしまうからだ!試行錯誤の末、U棒を「半分だけ見せる」という独特の技法を確立。その結果、8bitであるにもかかわらず3D感を演出することにも成功。平面のディスプレイが立体を表現する現代のテクノロジーにも引けを取らない発想である。
立体壁面「8bit」に使用される人工素材「U棒」は、2000本以上にも及ぶ。チャクリ樹 Season.1に使用されたU棒と合わせると、その数は3000を超えるとも言われている。
最終は「発注」という方策が取られたが、チャクリ樹 Season.1の制作にかかった頃は、近隣の業務スーパーからU棒が一気に消えた、という事件が、あったとか、なかったとか話されている。